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PySide超入門【第1回】PythonでGUIアプリ開発の基本とPyQtとの違い

「PythonでGUIアプリを作るならPyQtとPySide、どちらを選べばいいの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、本記事ではPySideの基本とPyQtとの違いについてわかりやすく解説します。ライセンスの違い、開発元、実務利用のしやすさなど、実際に選ぶときに迷いやすいポイントを整理し、あなたに合ったライブラリ選びをサポートします。
デスクトップアプリ開発を始めたい初心者の方、Raspberry Piでハード制御GUIを作りたい方にも役立つ内容です。ぜひ最後までお読みください。
はじめに
PythonでGUI(Graphical User Interface)アプリケーションを作りたい方におすすめのライブラリが「PySide」です。
特にRaspberry Piのような組み込み用途でも活用できるため、ハードウェア制御と組み合わせたGUI開発に最適です。本記事ではPySideの基本に加え、PyQtとの違いを徹底的に比較します。
PySideとは?
PySideは、C++で作られたクロスプラットフォームGUIフレームワーク「Qt」のPythonバインディングです
PyQtと非常に似ていますが、公式(The Qt Company)提供であり、ライセンス面で有利な場面もあります。

主な特徴
- クロスプラットフォーム(Windows, macOS, Linux, Raspberry Pi対応)
- Qt Designer対応(UIデザインツール)
- 商用ライセンスとの互換性あり
- PythonicなAPI設計
- 豊富なウィジェット・マルチスレッド・ネットワーク対応
PyQtとPySideの違いを徹底比較
項目 | PyQt | PySide |
---|---|---|
開発元 | Riverbank Computing | The Qt Company(公式) |
ライセンス | GPL / 商用ライセンス(有償) | LGPL / 商用OK(条件内) |
ライセンスの制約 | 無償版はGPLのみ(ソース公開義務あり) | LGPL対応のため、商用開発でも柔軟 |
ドキュメント | PyQt独自+Qt公式 | Qt公式ドキュメント使用(PyQtより新しい情報も) |
APIの互換性 | 99%以上同じ | 99%以上同じ |
サポート | 個人・コミュニティ中心 | The Qt Companyによる公式サポートあり |
最新Qt対応 | 若干遅れる場合あり | Qt本体と同時更新 |
特に注目すべき違い
- ライセンスの自由度:PySideはLGPL対応=商用でも無料利用可能(条件内)
- 開発元の信頼性:PySideはQt公式=業務用途やRaspberry Pi等ハード制御で安心
- 最新機能対応:PySideはQtの更新と連動
迷ったときの選び方
- 個人・学習目的:どちらでもOK(チュートリアルはPyQtが多め)
- 業務・商用・Raspberry Pi制御:PySide推奨(ライセンスリスク回避・公式)
- オープンソース開発/GPL準拠が可能な場合:PyQtも選択肢
PySide6のインストール方法
1. PyPI(pip)からインストール
pip install pyside6
2. Anacondaからインストール
conda install -c conda-forge pyside6
3. バージョン確認
import PySide6
print(PySide6.__version__)
最小構成のサンプルコード
import sys
from PySide6.QtWidgets import QApplication, QLabel
app = QApplication(sys.argv)
label = QLabel('Hello PySide6!')
label.show()
sys.exit(app.exec())
実行結果
“Hello PySide6!”と表示されたシンプルなウィンドウが開きます。

よくある質問(FAQ)
- PyQtからPySideに移行できる?
-
可能。ただし細かい仕様差(例:QtCoreモジュールの一部)に注意。
- 商用利用OK?
-
PySide6はLGPLライセンス。商用利用OK(条件内)
- Raspberry Piで動く?
-
動作可能。Raspberry Pi OS対応
- PySideとPyQtで書いたコードは互換性がある?
-
ほぼ互換性あり(インポート文や細部で若干異なる場合あり)。一部のAPI名やモジュールパスが違うので注意。
- KivyとPySideのどちらを選べばいい?
-
スマホアプリやタッチ操作中心ならKivy、デスクトップ&業務GUIならPySideが向いています。Raspberry Piでの軽量GUIもPySide推奨。
まとめ
PySideは、Pythonで本格的なGUIアプリを作りたい方に最適なフレームワークです。特にRaspberry Piとの相性が良く、ハードウェア制御GUIも簡単に構築できます。PyQtと迷った場合は、商用・実務用途ならPySide推奨です。
次回は「QLabelの使い方」を解説します!

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