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PySide超入門【第11回】表形式のデータを表示！QTableWidgetの徹底解説
「データを表形式で表示したい」
そんなときに活躍するのが QTableWidget です。
このウィジェットを使えば、表のようなレイアウトでテキストや画像、チェックボックスなどを行や列に並べて表示することができます。
本記事では、QTableWidget の基本から実用的なカスタマイズ方法までを徹底解説します。
目次
QTableWidgetとは？
QTableWidget は、固定行・固定列のグリッド表を表示するウィジェットで、テーブルに直接アイテムを挿入して操作できるのが特徴です。
基本コード
from PySide6.QtWidgets import QApplication, QWidget, QTableWidget, QTableWidgetItem, QVBoxLayout
import sys
app = QApplication(sys.argv)
window = QWidget()
layout = QVBoxLayout()
table = QTableWidget()
table.setRowCount(3)
table.setColumnCount(2)
table.setHorizontalHeaderLabels(["名前", "年齢"])
table.setItem(0, 0, QTableWidgetItem("田中"))
table.setItem(0, 1, QTableWidgetItem("25"))
#==============================================
# ここにコードを追加します
#==============================================
layout.addWidget(table)
window.setLayout(layout)
window.show()
app.exec()
主なプロパティとメソッド一覧（全解説）
| No | メソッド / プロパティ | 説明 | 例 |
|---|---|---|---|
| 1 | setRowCount(int)/setColumnCount(int) | 表の行数と列数を設定 | table.setRowCount(5) |
| 2 | setItem(row, col, item) | セルにデータ（QTableWidgetItem）を挿入 | table.setItem(0, 0, QTableWidgetItem("A")) |
| 3 | setHorizontalHeaderLabels(list) | 列ヘッダーのラベルを設定 | table.setHorizontalHeaderLabels(["A", "B"]) |
| 4 | item(row, col) | 指定セルのデータを取得 | item = table.item(0, 0).text() |
| 5 | insertRow(index)/removeRow(index) | 指定位置に行を挿入・削除 | table.insertRow(1) |
| 6 | setEditTriggers(trigger) | 編集の挙動を設定 | table.setEditTriggers(QAbstractItemView.NoEditTriggers) |
| 7 | setSelectionBehavior(mode) | 行単位 or セル単位の選択を指定 | SelectRows or SelectItems |
| 8 | clearContents() | 中身をすべてクリア | table.clearContents() |
| 9 | setAlternatingRowColors(bool) | 行の背景色を交互に設定 | table.setAlternatingRowColors(True) |
| 10 | resizeColumnsToContents() | 各列幅を内容に合わせて自動調整 | table.resizeColumnsToContents() |
各プロパティ・メソッド 詳細解説
【1】行数と列数の設定
- 概要： 表のサイズ（行数と列数）を定義します。
- メソッド：
setRowCount(int)/setColumnCount(int) - 使い方：
table.setRowCount(5) # 5行に設定
table.setColumnCount(6) # 6列に設定
【2】セルにアイテムを挿入
- 概要： 指定したセルに
QTableWidgetItemを挿入してデータを表示します。 - メソッド：
setItem(row, col, item) - 使い方：
item1 = QTableWidgetItem("佐藤")
item2 = QTableWidgetItem("28")
table.setItem(1, 0, item1) # (1, 0) のセルに「佐藤」を挿入
table.setItem(1, 1, item2) # (1, 1) のセルに「28」を挿入
【3】列ヘッダーの設定
- 概要： 各列のラベルを指定して、表の意味を分かりやすくします。
- メソッド：
setHorizontalHeaderLabels(list[str]) - 使い方：
table.setHorizontalHeaderLabels(["名前", "年齢", "住所", "職業"])
【4】セルの内容を取得
- 概要： 指定したセルの
QTableWidgetItemを取得して、内容を読み取ります。 - メソッド：
item(row, col) - 使い方：
value = table.item(0, 1).text() # (0, 1) のセルのテキストを取得
print(value)
# 25【5】行の挿入・削除
- 概要： 表の途中に行を挿入したり、不要な行を削除できます。
- メソッド：
insertRow(int)/removeRow(int) - 使い方：
table.insertRow(1) # 2行目の前に新しい行を挿入
table.removeRow(2) # 3行目を削除
【6】編集操作の制御
- 概要： セルの編集を許可／禁止できます。初期状態では編集可能です。
- メソッド：
setEditTriggers(trigger) - 使い方：
from PySide6.QtWidgets import QAbstractItemView
table.setEditTriggers(QAbstractItemView.NoEditTriggers) # 編集禁止【7】選択モードの設定
- 概要： 行単位またはセル単位での選択を切り替えます。
- メソッド：
setSelectionBehavior(mode) - 使い方：
from PySide6.QtWidgets import QAbstractItemView
table.setSelectionBehavior(QAbstractItemView.SelectRows) # 行単位で選択
# または
table.setSelectionBehavior(QAbstractItemView.SelectItems) # セル単位で選択【8】中身だけをすべてクリア
- 概要： 表の構造（行列数）は維持したまま、内容だけを削除します。
- メソッド：
clearContents() - 使い方：
table.clearContents()
【9】交互の背景色を設定
- 概要： 表の行の背景色を交互に設定して、視認性を高めます。
- メソッド：
setAlternatingRowColors(bool) - 使い方：
table.setAlternatingRowColors(True) # TrueでON、FalseでOFFデフォルトスタイルのままでもグレー／白などで交互に表示され、テーブルが見やすくなります。
【10】列幅の自動調整
- 概要： 各列の幅を自動で中身に合わせて調整します。長いテキストを含む列が見切れなくなります。
- メソッド：
resizeColumnsToContents() - 使い方：
table.resizeColumnsToContents()※ テーブルの内容を更新したあとに呼ぶと効果的です。
すぐに使える実用例
# 3x2の成績表のようなテーブルを作成
table.setRowCount(3)
table.setColumnCount(2)
table.setHorizontalHeaderLabels(["名前", "点数"])
students = [("山田", "85"), ("佐藤", "90"), ("鈴木", "78")]
for row, (name, score) in enumerate(students):
table.setItem(row, 0, QTableWidgetItem(name))
table.setItem(row, 1, QTableWidgetItem(score))
table.setAlternatingRowColors(True) # TrueでON、FalseでOFF
よくある質問（FAQ）
- セルに画像を表示するには？
-
QTableWidgetItem.setIcon(QIcon(...))を使えば可能です。 - テーブルのセルにチェックボックスを付けられますか？
-
item.setCheckState(Qt.Checked)を使います。 - 編集可能にするには？
-
デフォルトで編集可能です。無効にしている場合は
setEditTriggersを確認してください。 - 行ヘッダーを非表示にできますか？
-
table.verticalHeader().setVisible(False)で非表示にできます。 - 行の背景色を変えたいのですが？
-
item.setBackground(QtGui.QColor("lightblue"))などで指定可能です。
まとめ
QTableWidget を使えば、表形式のUIを簡単に作成することができます。
テキスト、画像、チェックボックスなど、柔軟なレイアウトが可能で、
リストビューやCSV表示、編集可能なテーブルなど多用途に応用できます。
次回は、QTabWidget を使って複数の画面を切り替えて表示できる「タブ付きUI」をご紹介します！
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